みなさま、こんにちは。本日は公私ともにご多忙の中お越しいただきました、沼津市長斎藤衛 ( さいとう まもる)さま、国際ロータリー第二六二〇地区ガバナー井上雅雄(いのうえ まさお)さま、ご来賓のみなさま、そして各クラブのロータリアン、並びに関係者のみなさまに、心より御礼申し上げます。



 IM (インターシティー・ミーティング)は、日頃交流をすることの難しい、沼津、冨士、富士宮九クラブのロータリアンが一堂に会し、親睦を深めると共に、ロータリークラブについて学び、明日からの活動に生かしていこう、という目的があります。



 井上雅雄ガバナーは、「職業奉仕と親睦を今年度のテーマとして掲げられました。私も昨年七月以来各クラブを訪問させて頂いた際、井上ガバナーの言われる、「活動を通して、それぞれのロータリアンが、自分自身の持つ掛け買いのなさを見つめ直して欲しい」とのお言葉に触れて参りました。



 一九〇五年シカゴで四人の仲間からスタートしたロータリークラブは、親睦を通して培われた友情を土台に、高い倫理観に基づくそれぞれの職業奉仕により地域社会に貢献して参りました。現在では、全世界一六十八カ国に、一二〇万人あまりの仲間を持つまでに発展いたしました。



 それでは、こうした活動の礎(いしずえ)となるものはなんでしょうか?私は、それこそが本日のテーマである健康だ、と思うのです。この健康というテーマを思う時、私がいつも思い出すある俳句があります。それは、正岡子規の「いくたびも雪の深さを尋ねけり」です。正岡子規は晩年、脊椎カリエスによる激痛のため、寝返りを打つことすらできず、文字通り、病床六尺に閉じこめられてしまいました。自分自身の脚で縁側に行き、自分自身の目で雪の様子を確認できない子規を思う時、今更ながら、健康の有り難さを、私は実感するのです。




 「不幸は、それに耐える力が弱いと見て取ると、そこに重くのしかかる」と言ったのは、シェークスピアですが、「病は、それに耐える力が弱いと見て取ると、そこに重くのしかかる」と医師である私は言い換えたいのです。私たちの体は、自家用車とは違います。調子が悪くなったからと言って、新車に乗り換える事はできないのです。フランスの作家、カミュが言うように、「人間は、自分という名の独房に閉じこめられた死刑囚」なのです。そうであるとするならば、私たちは、その独房である自分自身を、毎日、毎日、磨き続けるしかないのです。



 本日は、陸上競技アスリートとして、また指導者としても著名な高野進先生にお越しいただき、我々中高年の健康管理についてご講演をいただきます。大村保二実行委員長のアイデアとリーダーシップのもと、沼津西クラブ全会員が力を合わせ、知恵を絞った本日の IM を通して、ここにいらっしゃる全ての皆様が、それぞれの持つ健康の大切さを、そして自分自身の持つ掛け買いのなさを見つめ直して頂くことができれば、私どもにとって、これ以上の喜びはありません。



以上をもちまして、ガバナー補佐挨拶とさせて頂きます。