■■ 沼津朝日 言いたいほうだい ■■

 6月18日、紙面に掲載されました。実は、昨日の名古希実の21回目の誕生日に合わせて掲載してもらえるようにお願いしたのですが、17日掲載されたのは、前沼津市長桜田光雄さんの沼津市政批判の原稿でした。今秋に予定されている市長選挙をにらんでの投稿でしょうから、やはり私のものよりは、優先されるのでしょうか。

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 人間同士、理解し合うのは大変難しい、いや実際には不可能です。自分自身すら把握しきれないのに、他人を理解しよう、というのは、神に対する冒涜に近いのかも知れません。

 そんな人間同士が家族を作る。家族とは実に危うい存在だ、と思います。

 16世紀に日本へやってきた宣教師ルイス・フロイスが、当時の欧州と日本との違いを600以上挙げています。驚くべき執念です。その中で、当時の日本の家庭において、家族の中ですら宗派が違うことがあり、しかもそれを別段おかしい事とも思っていないようだ、と驚いています。キリスト教一色の欧州から、宣教師という身で日本に来た彼にしてみれば、青天の霹靂だったのでしょう。

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 文明の共存とは、大変難しいことなのでしょう。特に異なる宗教間の平和裏の共存とは、難題中の難題です。宗教とは信じることですから、お互い譲り合う、ということができない。神社を目の敵にする宗派もあります。自然の中に息づいている神社を、不倶戴天の敵のごとくに攻撃する宗派の偏狭さには、うんざりしますが、どうしてあのように攻撃的になれるのか、私には一生理解できないでしょう。宗派の幹部が右を向け、と言えば、今まで左を見ていた人々が一様に右を向く情景は、実に異様としか言いようがない。北朝鮮のマスゲームと同じです。

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 それでも、我々は共存していかなければならない。実に辛く、苦しい道のりです。
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