「巡航ミサイル・ハリウッド・ウインドウズ」
原稿へ

2003年3月30日


  3月20日に始まったイラク戦争は、当初の短期終結の予想を裏切って、長期化の様相を呈しています。圧倒的なハイテク軍事力でアリを踏みつぶす象のようなアメリカ軍も、他国を占領するとなると、クエートからイラク軍を追い出した湾岸戦争のようなわけにはいかないのでしょう。

 アメリカと付き合っていくのは、冷戦が終了した今となっては、なかなかに難しい問題になってきました。冷戦時は選択肢が他にありませんから、思考停止の状態でも、何ら問題がなかったのですが、EUのようなバックを持たない日本が、これからアジアの中でどのように国益を守っていくのか、ただただ追従しているだけでは、危険な気もします。

 まずはアメリカという国の持つ強さと弱さの分析から始めましょう。

 それにしても、アカデミー賞の授賞式には驚きました。長編ドキュメンタリー賞を受賞した、マイケル・ムーア監督の受賞挨拶は、日本では考えられないほど過激なものでした。そのような発言を許すアメリカの大らかさというのは、日本のようにともすると毛色の変わったものを排除しやすい体質の国にいると、とても新鮮にそして素晴らしいものに思えます。